
TSMCにおける高度なリソグラフィー技術への移行は、高度な極端紫外線(EUV)装置の導入にかかっています。これらの最先端システムは、不良品を最小限に抑えながら2nmウェーハを迅速に生産するために不可欠です。TSMCは今年初め、この革新的な製造プロセスの受注を開始しており、MediaTekは2025年第4四半期までに初の2nmチップセットのテープアウトを開始する予定です。しかし、2nm未満の領域への進出には、高度な装置の使用が不可欠です。ASMLの高開口数(NA)技術は、これらの複雑な製造タスクに対処する上で不可欠と考えられています。しかし、最近の報道によると、TSMCは依然としてこのような高価な装置の調達に消極的であるようです。
EUV装置にかかる高コストがTSMCに課題をもたらす
TSMCが導入する最先端のEUVシステムには、ASMLの最新NA技術のほぼ半分に相当する多額の投資が伴います。TSMCは2nmプロセスが今後数年で成熟期を迎えると予想しており、消費電力を30%も削減できる1.4nmノードに照準を合わせていると報じられています。A14(14オングストローム)と呼ばれるこの技術は、2028年に量産開始が予定されています。この高度なリソグラフィーの導入には、最先端の装置、特にASMLの高NAシステムが必要になるでしょう。しかしながら、ロイター通信によると、TSMCは現在、このような投資の必要性を検討しているとのことです。
TSMCの上級副社長であるケビン・チャン氏は先日、これらの先端ノードへの同社の取り組みについて言及し、ASMLの高級装置に4億ドルを投入する必要があることに疑問を呈しました。チャン氏は、現在の価格設定ではアップグレードを正当化する説得力のない理由に過ぎないと主張しました。TSMCは事業運営を最適化するため、既存のEUV技術を効果的に活用し、現行装置から最大限の価値を引き出してきました。
TSMCは、既存のハードウェアが最新のリソグラフィープロセスに対して十分な性能を発揮し続ける限り、大規模な購入を延期する可能性があります。一方、ASMLには競争力強化に意欲的な他の顧客がおり、このオランダメーカーは既にサムスンを含む複数の顧客に高NA装置5台を納入しています。特にサムスンは、1nm製造に特化した専任チームを編成し、2029年までに生産開始を目指していると報じられています。
TSMCが最終的に高NA装置への投資を決定するかどうかは依然として不透明です。しかし、同社は長年にわたり業界リーダーとしての地位を維持しており、競争優位性を維持するための効果的な戦略を採用している可能性を示唆しています。
ニュースソース:ロイター
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