
AMDはROCm 7ソフトウェアスタックのリリースに向けて準備を進めており、AI分野、特に開発者を長らくNVIDIAのハードウェアに限定してきた緊密に結びついたCUDAエコシステムにおけるNVIDIAの優位性を崩すことを目指している。
AMDのROCm 7がGitHubでリリースに近づく
人工知能分野におけるNVIDIAの優位性は、主にCUDAソフトウェアスタックに起因しています。CUDAはAI開発者にとって不可欠な資産ですが、NVIDIA独自のハードウェアにのみ搭載されています。この状況は、AMDなどのライバル企業にとって困難な課題となっています。しかし、先日開催されたAdvancing AIイベントにおいて、AMDは次世代のROCm 7.0を発表しました。ROCm 7.0は、CUDAの現実的な代替となることを目的とした、強化されたフレームワークと革新的なアルゴリズムを特徴としています。リリースに向けた準備が正式に始まりました。
Phoronixのレポートによると、AMDはGitHubにROCm 7.0のタグを追加し、リリースプロセスを開始したとのことです。ROCm /hipではrocm-7.0.0、ROCm/aompではrocm-7.0.0といった関連タグが既に表示されており、リリースが間近に迫っていることを示しています。これはAMDにとって重要なマイルストーンであり、Team Redにとって極めて重要なアップデートとなる可能性のあるリリースに向けて準備を進めているところです。

刷新されたROCmスタックは、主に推論ワークロードに重点を置いています。AMDは、AIタスクにおいてROCm 6と比較して最大3.5倍の驚異的なパフォーマンス向上を実現したと謳っています。特に、Instinct MI355Xは、DeepSeek R1テストにおいてFP8スループットが30%向上し、NVIDIAのBlackwell B200を凌駕しています。ROCm 7.0の主なアップグレードは以下の通りです。
- 最先端のアルゴリズムとモデル
- AIスケーリングのための強化された機能
- MI350シリーズのサポート
- クラスタ管理の機能強化
- 高度なエンタープライズ機能
ROCm 7のリリース日は現時点では未定ですが、AMDが新しいAIハードウェアの発表に合わせていることから、今後数週間以内にデビューすると予想されています。
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